展示会が終わった翌週、私は名刺の山を前にして固まったことがあります。300枚。全部「有望そうな顔」に見えました。で、そのまま営業チームに「これ、全部かけてください」と渡しました。結果、アポは3件。300枚中3件です。正直、地味に凹みました。
後から分かったんですが、原因はリストの中身じゃなくて、リストの「作り方」と「扱い方」にありました。今日はその話をします。
リストは名簿じゃない。賞味期限つきの生鮮食品です
名刺交換した瞬間、その人は「今日、展示会に来ていた人」です。でも1週間経てば「展示会に行ったことをもう忘れかけている人」になります。3週間経てば「そんなブースあったっけ」です。これは相手が悪いんじゃなくて、当たり前の話です。私たちだって、行ったイベントの記憶なんてすぐ薄れます。
だから私がまず徹底しているのは、会期中にブースで聞いた「温度」をその場でメモに残すことです。「予算はまだ先だけど課題は明確」「今すぐ客観情報がほしい」「とりあえず情報収集」。この3段階だけでいいので、名刺の裏に一言書く。これをやらないと、後から見た名刺は全部同じ顔に見えます。
電話をかける前に決めること:温度別にセリフを変える
リストを一括りにして同じトークで電話をかけると、確実に沈みます。私が現場で使い分けているのは、こんな感じです。
課題がはっきりしている相手には、こう聞きます。
「ブースでお話しされていた、展示会後のフォローが手作業になっているというお話、あれから何か動きありましたか?」
逆に、その場では「情報収集だけ」と言っていた相手に同じ聞き方をすると、たいてい引かれます。この場合は、もっと軽く入ります。
「先日ブースにお立ち寄りいただいた件で、資料だけでもお送りできればと思ってお電話しました」
判断の分かれ目はここです。会期中に「課題を言語化して話していたかどうか」。言語化していた相手には具体的な会話の続きから入る。まだ様子見だった相手には、資料送付や軽い接点作りから入る。ここを間違えると、温度の低い相手に重い話をぶつけて警戒されるか、温度の高い相手に軽い話をして機会を逃すか、どちらかになります。
かける順番とタイミングで、獲得率は変わる
当社支援案件・2026年時点の実績値ですが、リスト設計を見直した案件でアポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がったケースがあります。何を変えたかというと、リストの中身よりも先に「かける順番」を変えました。
会期直後の72時間以内に、温度が高いと判定した相手から先にかける。ここを逃すと、相手の記憶の中でブースの印象がどんどん薄れていきます。逆に温度が低い相手は、無理に72時間以内に詰め込まず、1週間後にメールで資料を送ってから電話する、という順序に変えました。
ここでの判断基準は「相手が今、こちらを覚えているかどうか」です。覚えている間は会話から入れる。忘れかけている間は、まず思い出してもらう一手間を挟む。この順番を守るだけで、同じリストでも結果がまったく変わります。
それでも最後は、誰が電話をかけ続けるかです
ここまで書いておいて何ですが、リスト設計もトークの使い分けも、正直、地味な作業の積み重ねです。派手な戦略があるわけじゃありません。会期中にメモを取る人、72時間以内に電話をかける人、温度別にトークを変える人。結局、これをやり切る人がいるかどうかで、数字が決まります。
TSUNAIDEで成果を「名刺の枚数」ではなく「次回商談の日程を確定できた件数」で測っているのは、ここに理由があります。名刺は集めた瞬間がピークです。そこからどう腐らせずに、日程確定まで持っていくか。その泥臭い実行部分に、私たちは一番時間を使っています。
- 会期中に名刺の裏へ温度を3段階でメモする
- 会期後72時間以内に高温度リストから架電する
- 温度別にトークスクリプトを3種類つくる
- 低温度リストには先にメールか資料送付を挟む
- 架電結果を「アポ獲得」「再架電」「対象外」で毎日仕分ける
- 週次でリストの温度判定が合っていたか振り返る
- 次回展示会の設計にその振り返りを反映する
