「お世話になります、TSUNAIDEの金子と申します」。この一言目で、7割の電話が切られていました。正直、最初は言葉が悪いのかテレアポの技術が悪いのか、判断がつきませんでした。でも録音を100件くらい聞き返して分かったんです。切られるタイミングはいつも同じ。名乗り終わった直後でした。
「お世話になります」は、何のお世話もしていない人には響かない
この言葉、そもそも既に関係がある相手に使うものです。初めて電話する相手に言われると、相手の頭の中は「は?何のお世話?」になります。そこで一瞬、思考が止まる。その一瞬の間に「営業電話だ」と判断されて、切られる。私はそう解釈しました。
で、どうするか。私が今実際に使っている一言目はこれです。
「展示会の名刺、今どのくらい商談につながってますか?」
名乗りを最後に回して、最初に相手の状況を聞く形に変えました。答えがある質問だと、相手は反射的に考えてしまうんです。切る前に、一瞬「うーん」と思う。その「うーん」がある電話は、続く確率が上がります。
判断の分かれ目:質問から入るか、名乗りから入るか
ただし、質問から入る型がすべての場面で正解ではありません。私が現場で使い分けているのはこの基準です。
リストが「展示会に出展したことがある企業」など、こちらの質問に関係がある文脈を持っている場合は、質問から入ります。相手にとって「なぜこの質問をされているか」が想像できるからです。
逆に、リストが業種だけで絞った広いもので、相手との文脈が薄い場合は、質問から入るとむしろ不信感が先に立ちます。この場合は、名乗りを先に置きつつ「お世話になります」は使わず、こう言います。
「初めてお電話するんですが、1分だけいいですか」
「初めて」と正直に言うことで、逆に警戒が下がります。取り繕っていない感じが、変に信頼につながるんです。地味ですが、これが今の私のルールです。
アポ獲得率が0.6%から3.2%になった理由は、言葉より前にあった
ここで正直に言っておきたいのですが、一言目を変えただけでアポ獲得率が上がったわけではありません。当社支援案件・2026年時点の実績値で、アポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がった好調案件がありますが、そこで最初にやったのはリストの設計の見直しでした。「誰にかけるか」を先に決めてから、「どう話すか」を決める。この順番を間違えると、どんなに一言目を磨いても数字は動きません。
一言目の工夫は、正しいリストの上でだけ効きます。順番を間違えると、良い言葉も無駄になる。ここは何度でも言いたいところです。
名刺の枚数ではなく、次の日程が取れたかで見る
TSUNAIDEでは、展示会でもテレアポでも、成果を「次回商談の日程を確定できた件数」で見ています。名刺を100枚集めても、日程が1件も取れなければ、その活動はゼロだと考えています。だから一言目の工夫も、最終的には「電話の最後に日程が取れたか」でしか評価していません。
電話が続くようになっても、最後の一言が雑だと日程は取れません。私が電話の終盤で必ず言うのはこれです。
「来週の火曜と木曜、どちらか15分だけお時間いただけますか」
「ご都合のいい時に」ではなく、日を2つ指定する。選ばせる形にすると、日程確定率が上がります。これも地味な工夫ですが、効きます。
- 録音を最低50件聞き返して、切られる直前の一言を特定する
- リストの文脈が濃いか薄いかを先に分類する
- 文脈が濃いリストには質問から入る一言目を用意する
- 文脈が薄いリストには正直に「初めて」と伝える一言目を用意する
- 電話終盤の日程提示を「候補日を2つ言う」形に固定する
- 週次で「次回商談の日程が取れた件数」だけを集計する
- 効果が出た一言目は台本に残し、出なかった一言目はすぐ捨てる
