去年、ある展示会でブースに6人立たせたことがあります。人手があるから安心だと思っていました。結果は、隣の3人の島より商談化した件数が少なかったんです。正直、ショックでした。
この経験から学んだのは、ブースの人数は「多いほど成果が出る」わけではないということです。むしろ人数が増えるほど、役割が曖昧になって、誰も踏み込んだ会話をしなくなる。今日はその話を、当社が現場で決めているルールと一緒に書きます。
人数が増えると「待ち」が増える
6人立っていた時、何が起きていたか。誰も声をかけないブースになっていました。理由は単純です。「誰かが話しかけるだろう」と全員が思っていたからです。役割が決まっていないと、人は動かない。これは根性の話ではなくて、構造の問題です。
逆に3人だったブースは、最初から役割が固定されていました。声かけ担当、ヒアリング担当、その場でスケジュールを押さえる担当。この3つが揃っていれば、人数はそれ以上いらないんです。
声をかける一言を決めておく
ブースに立つ人数より大事なのは、最初の一言が決まっているかどうかです。当社が展示会支援で必ず用意するのは、通行人向けの「立ち止まらせる一言」です。例えばこういう言い方をします。
「その資料、展示会用に作られたものですか?普段の営業でも使えるように直す方法があるんですが、2分だけ聞いていかれませんか」
ポイントは「2分だけ」と時間を区切っていることです。相手は「話が長引くかも」という警戒心でブースを避けます。時間を区切るだけで、足を止める確率が変わります。
判断の分かれ目は「温度」で人を分けるかどうか
ここが一番地味で、一番効くところです。ブースに来た人は全員同じ温度ではありません。当社では会期前に、来場者の温度を3段階に分けたヒアリングテンプレを用意します。
判断基準はこうです。名刺交換だけして立ち去ろうとする人には、深追いしません。「資料だけ送りますね、来週で大丈夫ですか」で終える。逆に、課題を2つ以上自分から話した人には、その場でその日の商談化を狙います。次のように聞きます。
「今おっしゃっていた在庫の管理、まだ紙やExcelでやられてません?もしそうなら、来週火曜か木曜、30分だけオンラインでお話しできませんか」
ここで大事なのは「資料を送ります」で終わらせないことです。当社が成果を測るのは名刺の枚数ではなく、次回商談の日程を確定できた件数です。日程が入っていない名刺は、正直、ただの紙です。
本番運用に持ち込めるかは、人ではなく仕組みで決まる
展示会で拾った温度の高い相手を、そのあとちゃんとアポイントに変換できるか。ここは人数の問題ではなく、フォローの仕組みの問題です。当社ではテレアポのリスト設計を見直したことで、アポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がった案件があります(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。展示会での接点は、あくまで入口です。そのあとの電話やメールの設計が甘いと、展示会で稼いだ温度は冷めていきます。
AIツールを使ったフォロー自動化の相談もよく受けます。実際、当社が支援したAI開発案件では、試作から本番運用への移行率は82%です(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。ただし、ツールが動く前提として「誰が最終的にその商談を追いかけ切るか」を決めていないと、どんな仕組みも空回りします。結局、最後は人がやり切るかどうかなんです。
実務チェックリスト
- 会期前にブース内の役割を3つに固定する(声かけ・ヒアリング・日程確定)
- 通行人向けの「立ち止まらせる一言」を紙に書いて全員で声に出して練習する
- 来場者の温度を3段階に分けたヒアリングテンプレを会期前につくる
- 温度が高い相手にはその場で次回商談の日程を提示する
- 名刺交換だけで終わった相手には送付物と送付日を即メモする
- 会期後48時間以内に温度別のフォロー電話を実施する
- 次回商談の日程が確定した件数を毎日集計してチームに共有する
